アオヤマ日記

男子大学生がTwitterでは伝えきれないこと、ふと心に浮かんだことなどをゆる~く書いていこうと思います。

責任転嫁伝

チーム。

 

『仲間と切磋琢磨し、汗水流して勝利へと歩んでいく集合体。たとえ勝利を掴めなくても、同士と共闘した時間が、かけがえのない人生の宝である。』

 

普通の人類なら、チームと聞くとこのような青春キラキラストーリーを想像するだろうが、あいにく私は普通の人類ではない。異常である。少なくとも、中学校卒業までは正常な人間だったということは覚えている。しかし私は高校入学と同時に、我が人生の風向きを大きく変えたビッグイベントに遭遇する。

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部活動選び。

 

部活動選びが、若者たちの青春の大役を担っているのは誰もが納得することだろう。良い部活に入ることができれば、学生時代を思う存分謳歌できるし、あわよくば異性との運命的な出会いも果たすことができる。実際、同じ部活内で恋愛に発展するケースは非常に多い。私もそのようなお花畑人生を歩みたかったのだが、天にお尋ねしたところ、どうやら私の淡い夢は叶わないらしい。だから今は薔薇色人生設計の夢をあきらめ、イバラの道を突き進む非常に勤勉な脇役大学生を演じている。

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「高校に入学したからには勉学に励まねばならぬ。未来の一万円札になるべく、刻苦勉励。中途半端な文武両道など意味がない。高校生活は勉強一本に絞ってやる。」と、高校入学当初の私は意気込んでいた。しかし、私の高校は帰宅部がなく全員部活強制入部という軽いパワハラ制度があるため、私は何かの部活に入部しなければならなかった。運動部は論外。勉強の邪魔である。当たり前だが、文化部の中から候補を絞らなければならなかった。当時通っていた塾の講師から、「自然科学部生物班が勉強するにはもってこいの部活だ。」という有力な情報を手に入れていたので、私は入部届の紙を片手に胸を張って自然科学部生物班が活動しているとウワサされていた生物室へ向かった。今振り返ると、おそらく、生物室へ向かうその道が中学まで私が歩んできた人生ベクトルと逆向きだったのだ。自然科学部の門を叩いたあの日。あの日が人生の分かれ道だった。

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私は自然科学部生物班でワカバヤシ一家との衝撃的な出会いを果たす。ワカバヤシ一家のことをご存知でない方々に彼らのことを少し説明をしたいと思う。

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カバヤシ一家とは、私が普段『愉快な仲間たち』と呼んでいる、我が愛しの友人達である。リーダー・ワカバヤシを中心に、京都の参謀・ヌマクラ、チーフ・ヒーちゃん、そしてライダー・アリアリ。彼らとは現在も友好関係が続いており、長期休みになると全員で熱苦しい男旅へと出発する。ワカバヤシ一家は、高校時代、私の心を支え、そして、私をダメにした偉大なる戦友達である。今回は、そんな彼らのチカラを借りて記事を書いていこうと思う。

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私たちは、自然科学部で様々な悪事を働いてきた。『食虫植物スルメイカ実験』『熱帯魚マグロ化事件』『ジャガ汁(ジャガイモの汁)放置事件』『イモリ大脱走事件』『プロジェクト・ペニシリン』『青カビ栽培』『第三次部内戦争』『水族館プロジェクト強行事件』『プリズン・ブレイク』『ハッピー・セット事件』などなど。

私たちワカバヤシ・ファミリーが起こしてきた大事件は枚挙にいとまがない。上に挙げたのは、その中のほんの一部である。今回は全部を紹介している時間がないため、いずれ一つずつ記事にしていけたら幸いだと考えている。

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さて、前置きが長くなったが、ここからは今週のお題『チームワーク』について書いていこうと思う。最初に端的に言わせてもらう。我々のワカバヤシ・ファミリーに『チームワーク』の概念は存在しない。存在するのは、いかに仲間を切り捨て、責任転嫁をし、部活顧問の生贄に捧げるかというフザケタ概念である。そして、毎回生贄になる人物は決まっている。『チーフ・ヒーちゃん』である。彼が、『チーフ』と呼ばれる所以は何か。その答えは単純だ。彼を事実上、我々の指導者『チーフ』として祀っておけば、何か事件を起こした際に最高責任者として『チーフ・ヒーちゃん』を部内裁判に突き出すことができる。そしてヒーちゃんが怒られているうちに、残ったワカバヤシ・ファミリーは説教という難を逃れ、部活から脱走することができてしまう訳である。「お前達は最低だ。人間ではない。ヒーちゃんがかわいそうだ。ヒーちゃん頑張れ!」とお思いになった方々、安心していただきたい。皆さんのご要望通りにこの世の中はうまく成り立っている。

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ある時、私たち悪魔ワカバヤシ・ファミリーは次にどんな事件を起こそうかと新作ゲームの話をしながら計画を練っていた。無論、責任を『チーフ・ヒーちゃん』になすりつける算段はあらかじめ立ててある。それを前提でプロジェクトを進行させていくのが、自然科学部生物班という部活だ。

しかし、その日、ヒーちゃんが衝撃的なことを告白する。

『おれ、この研究グループ脱退するわ。カメの研究グループに行く。さようなら、みんな。』

カバヤシ・ファミリーに所属していた誰もが、ヒーちゃんの選択は賢明な判断だと心のうちで納得していたのは事実だが、生贄がいなくなることで顧問の矛先が我々に直接向かうことをひどく恐れた。

「裏切り者!ぐわあああ。」

我々は賢い彼をそう罵って、去っていく彼の後ろ姿を目に涙を浮かべ眺めていた。無論、先生に対する恐怖の涙である。去っていくと言っても、彼は机一列分後ろのグループにいるため、惜別の涙など出るはずがない。たかが、5メートルの別れをこれほどまでに恨み妬む私たちは、どんな青春映画よりも、青い春を過ごしていたと断言できる。そうして、ヒーちゃんは我々を裏切り、我々は顧問の叱責を受け、生物室から脱走し、脱走が見つかり、また怒られ、再び逃走するという生活を続けてきた。改めて、生贄の重要性が理解できた。

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しばらく経ったある日、ワカバヤシ・ファミリーがいつものように悪事討論会を開催していると、いつのまにかヒーちゃんが隣にちょこんと座っていた。心優しいワカバヤシ・ファミリーにはそれを咎める人は誰もいないし、むしろヒーちゃんが帰ってきてくれて良かったと心底思っていた。そもそも、リーダー・ワカバヤシから離れることはできないのだ。ワカバヤシは高校のアイドルであったし、人をひきつけるカリスマ性も備えている。彼の周りには自然と人が集まり、ワカバヤシを称えている。そんな彼のもとに再び戻ってきたヒーちゃんは人間として正しい選択をしたのだと思われる。

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大学生になった現在、私たちが旅行に行く際、食事会を開く際、バーベキューを開催する際、その他イベントを行う際、幹事は相変わらず『チーフ・ヒーちゃん』である。これは高校時代の名残だ。チーフはいつまででも私たちのチーフであり、全責任を担ってくれる。先程、ワカバヤシ・ファミリーには『チームワーク』の概念がないと言ったが、『チーフワーク』の概念なら存在する。読者諸君、今一度、心優しい『チーフ・ヒーちゃん』に盛大な拍手を送っていただきたい。ありがとう!ヒーちゃん!今年のイベント計画も立ててくれ!

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今回の記事を読んで、ワカバヤシ一家はチーフをイジメている悪の集団だと勘違いされる方も出てきてしまうのではないか、と思われる。しかし、断っておくが私たちは全員仲が良く、チーフとも仲が良い。決してチーフが迫害されているわけではない。本人に聞いてみればわかるはずである。これは脅しではない。本当に本当なのだ。こう言ってしまうと余計に胡散臭く聞こえてしまうが、仲が良いのは事実だ。そこだけはご理解願いたい。

     

 

 

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