アオヤマ日記

男子大学生がTwitterでは伝えきれないこと、ふと心に浮かんだことなどをゆる~く書いていこうと思います。

中学同窓会記①

読者諸賢御機嫌よう、アオヤマである。

今後しばらくの間、『中学同窓会記』シリーズを書いていこうと考えている。よろしく頼む。

 

私は感動している。これほどまでに良いことが立て続けに起こってもいいのかと鏡にうつる自分に猜疑の目を向けるほどだ。目をつぶり胸に手を当てて、あるもしない心に尋ねても、無意味に天を仰いでも、無論答えは返ってこない。幸福な自分がこの世に存在しているのがあまりにも不思議でたまらず、これは良くないことが起こる前兆なのではないか、天が私を弄んでいるのではないか、と焦燥感にかられるほどである。むしろ、電柱の下で空から降ってくる鳥のフンの豪雨にあたって、幸福感を相殺したいと思っているが、あいにく私は鳥のフンを待つほど暇ではない。まあ、幸せならそれでいいかとついに腹をくくった次第である。「お前は先程からひとりで何を語っているのだ?まさか色恋沙汰か!おのれ、ひとりで抜け駆けしおって!」とお思いになられる孤独な男性諸君、安心してほしい。私は決して恋愛について語っているわけではない。それだけは保証する。私に限って色恋沙汰などありえない。しかし私が何について感動しているかは秘密だ。頭のおかしい奴だと思って聞き流してほしい。この喜びは私だけがひとりで玩味する権利があり、ここから先は私のプライバシーに関わってくるため、ご容赦願いたい。

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さて、前置きが長くなってしまったが今回は先日開かれた中学校の成人式について書いていこうと考えている。私は成人式の前夜、中学時代の友人たちとその家族と一緒に某鉄板焼き屋でタダ酒を飲んでいた。タダ酒というと人聞きが悪いが、良い言い方をすると私の両親と友人たちの家族からの軍資金で新成人たちはお酒をいただいていたということになる。まさに親のスネをかじり、骨までしゃぶる恩知らずな20歳数名。しかもお酒を飲みながら、ロクな話をしていない。我が友人Kは飲み会のはじめのうちは、周囲に遠慮して可愛らしくオレンジジュースをちゅうちゅう飲んで静かにしていたのだが、しばらくしてお酒が入るといよいよ本性を現した。彼の口から語られるのは、中学校以来の空白の5年間で彼がどれほど猥褻な夜を送ってきたか、そしてたくましい性教育自己学習により養ってきた彼のジョニーを現在はどれほど卑猥なお店で慰めているかという、聴いているこちらが顔を赤らめてしまいそうになる破廉恥エピソードであった。私は確信した。彼はもはやこの世の住民ではない。破廉恥王国の王子さまであると。

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彼によって語られた卑猥すぎる物語を聞きたいと思われる方も多いと予想される。しかし、深く語ってしまうとブログの運営側から叱責を受けることになるので、申し訳ないが割愛させてもらう。その代わりに、彼が高校時代に過ごしてきた寮のお話をしよう。

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Kが高校時代に下宿していた寮は当たり前だが男子寮で、Kは3年生の時に寮長を務めていたらしい。私はKが寮長を任される時点で、その寮は相当どうかしていると思ったのだが、彼のような変態大魔神の人生でも何が起こるかはわからない。そしてKは悪友モリタと呼ばれていた男と常に行動していた。ある夏の蒸し暑い夕方のことである。悪友コンビは、寮の2階の食堂で暑い暑いと言いながら暇をもてあましていた。寮の構造を簡単に説明すると、1階が居酒屋。2階が食堂。3階から5階が生徒たちの居室となっていた。1階が居酒屋の時点でやはりこの寮は普通ではない。しかも、寮は建築されてからすでに長い年月がたっており、雨風にさらされボロボロ収容施設に変貌していた。話を戻すと、その日Kとモリタはとにかく暇であった。そこで、何かすることはないかと周囲を見渡したところ、彼らは水の張った大きな樽を発見した。私は「水の張った大きな樽がなぜ寮の食堂にあるのか?」と気になったが、寮自体がこの世の産物ではなさそうなので、そのようなこともあるのだろうと何故か腑に落ち聞き流してしまった。樽を見つけたKとモリタは瞬時に「水を頭からかぶろう」と以心伝心した。2人は立ち上がり、スタスタ樽の方へ歩いていき何も言わずに樽を持ち上げ水をかぶった。外で水を浴びるならまだしも、寮の食堂で水をかぶるという悪行をはたらいた彼らを、神がまさか見逃すはずなかった。ビショビショになって笑い転げている彼らのもとへ1階から不穏な物体が近づいて来ていることは、その時食堂にいた全員が察知したそうだ。

「おい、コラ。ちょっと1階に降りてこいや。」

魔界からの使者のごとく1階から這い上がってきたのは、顔に血がたぎって爆発してしまいそうになった居酒屋の店主であった。Kとモリタは店主によって居酒屋に連行された。2人の失態の原因は、2人が寮のボロさ加減を理解していなかったことと1階が一般客用にための居酒屋であったことを忘れていたことにある。1階におりるやいなや、彼らは天井からポタポタと垂れている水が店内を水浸しにしている光景を目の当たりにした。

「お前ら、歯を食いしばれや。」

店長の最後の言葉の後に、2人がどうなったかは鋭い洞察力をお持ちの読者ならお分かりいただけるだろう。この夏の彼らの悪事。私はこれを『居酒屋大洪水ポタポタ事件』と命名した。

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後日、Kとモリタは再び寮の食堂に姿を現した。さすがにこれ以上寮で騒ぎを起こすのは良くないという考えに行き着いた彼らは、食堂で晩飯を食べていた。Kとモリタが世間話をしていると、彼らはふと食堂の異臭に気付いた。無論、その異臭の正体は我々人類の体から排泄される大きいモノだ。高校生くらいになれば瞬時に理解できるだろう。食堂の異変を感知したイタズラ好き少年たちは、その臭いの原因を突き止めるべく席を立った。しかし、彼らの異臭探しのわんぱく大冒険はほんの3秒で終わりを遂げることになる。

 

ぽちゃん。ぽちゃん。

 

そう、そのまさかである。2人が天井を見上げると上から褐色の液体が食堂に垂れていた。

Kとモリタは自分たちの風船のように膨れ上がった好奇心を抑えることができなくなっていた。彼らはすぐに寮の三階へ上がり、シャーロックホームズとワトソンが犯人を論理的に探し当てていくように一つ一つの部屋を回っていった。しかし、彼らの後ろにも第2、第3のシャーロックホームズとワトソンが続き、寮ではええじゃないかに引けを取らない大騒ぎになっていた。勿論、大騒ぎになっただけでこの騒動が終わるはずがない。いくら探し回っても、犯人が名乗り出てこないため彼らは即座に寮会議を開催した。会議の目的は、テキトウな生徒に罪をなすりつけること。すなわち責任転嫁を目的とした、いかにも男子高校生が思いつきそうなド阿呆なサミットである。名付けて『U-サミット』。何の『U』かは読者諸賢に考えていただきたい。寮の三階に集まった笑いに飢える男たちは一斉に拳を目の前に突き出し、ジャンケン大会を始めた。ここで、Kかモリタが最後の汚名を着せられる男に選出されていたら、この話は100倍面白かっただろうが、笑いの神もその時ばかりは違う人間を選出したのだった。選ばれし男は2階に降りて行き食堂の職員に謝り、掃除をしたそうだ。思春期真っ最中の男子高校生が赤の他人の『U』を掃除している姿を想像するとミジメで憐れな光景が頭に浮かんでくる。しかし、寮の連中はその姿をケタケタと笑い、選ばれし『U者』を称えた。後々この寮で受け継がれることになるこの伝説の珍事件は『U-サミット汚名閣議決定事件』と呼ばれている。

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中学同窓会記②に続く。