アオヤマ日記

男子大学生がTwitterでは伝えきれないこと、ふと心に浮かんだことなどをゆる~く書いていこうと思います。

ビリ猿!

読者諸賢、御機嫌よう。

 

内なるアオヤマである。

 

突然だが、皆さんは有村架純さん主演の『ビリギャル』という映画をご覧になったことがあるだろうか。偏差値が地面に着いてしまいそうな程頭がよろしくなかったギャルが汗水流して来る日も来る日も勉強し、見事有名私立慶應義塾大学に合格したハートフルな物語である。このようにあたかも彼女の波乱万丈の人生を知ったような口をきいているが、実は、私アオヤマは『ビリギャル』見たことがない。まず、そのことを有村架純さんと皆さんに謝罪する。そして、映画を見ていなかったことに対してそれほど罪悪感を抱いていないこともついでに謝罪する。

 

今回私がこうして筆をとったことには当たり前だが理由がある。先日、試験勉強やその他雑務で多忙な私に「おい。アオヤマよ。俺を題材にして記事を書け。」と図々しく命令してきた友人がいた。彼はスズキ(仮名)といい、同じ大学の医学部に所属し毎日グータラ生活を送る典型的なダメダメ大学生である。以前、受験生の保護者の方に「医学部生はきっと皆さん真面目で毎日机にかじりついているんでしょう。」と言われたことがあるが、全くそのような事実は存在しない。スズキのように日中のほとんどを布団の上で過ごし、友人の私に代返(本人の代わりに出席カードを書くこと)を頼む男もいる。夜になればモゾモゾ布団から這いつくばって出てきて、シャワーを浴びて夜の街へ消えていく。彼には一度、ヒポクラテスの誓いを暗唱させて800ページ近くある医学書を正座して写経させた方が良いだろう。医学をナメているにもほどがある。と他人事のように私も言っているが、自分自身も酒におぼれる生活を送っているため今一度気を引き締めなければならない。

 

さて、スズキが私に記事の依頼を頼んだ理由なのだが、どうやら彼は『ビリギャル』に憤っているらしい。もう少し詳しく説明すると、『ビリギャル』という映画、あの映画は自分の人生を侮辱しているというようなことをわめき散らしていた。

 

彼の言い分はこうだ。

『いいか、アオヤマ。ビリギャルなんぞ、屁の河童。俺の波乱曲折した人生を見直してみるとあのくらいの出来事は星の数ある。俺は二浪してなんとかこの大学の医学部に入ったが、現役時代(高校三年の時)の俺のセンター試験の点数を知っているか。603点(/900点)だ。いいか、国立医学部に入学している奴らは810点(/900点)をとってくるところを俺は603点だ。二年間で己のねじ曲がった根性を鍛え直し、切磋琢磨、刻苦勉励を繰り返してやっとのことでこの医学部に入学した。ビリギャル?俺の伸び率に比べれば、あんなもの風の前の塵に等しい。』

 

現在は怠惰な生活を送る彼が、浪人時代に血反吐をまき散らすほどの努力をしていた感動話を聞いているうちに目から熱いものがこぼれ落ちることはなかったが、同じ浪人を経験している身として彼の努力は称えよう。センター試験で点数を100点あげるのも苦労するのに、彼は150点以上あげたらしい。拍手喝采である。しかし、現在の彼の半熟卵みたいなグデグデ生活を見てしまっている身としては、その感動も半減。本当に受験で入ってきたのか。と思ってしまう部分もなくはない。しかし、今のご時世私大医学部はあまりよく思われておらず、私大医学部に関することを書いてしまうと私も追われる身となってしまうので、ご容赦願いたい。

 

私は彼に言った。

『君、それではビリギャルではなく、ビリ猿ではないか。君はお猿さんに似ているし。』

『貴様誰に向かって口をきいている!と言いたいところだが、俺をネタにして記事を書けば無罪放免にしてやる。俺を小馬鹿にしてくれ。そっちの気があるのやもしれぬ。』

という一連の流れがあり、私はこの記事を書いた次第である。まったく困った友人を持ったものだ。

 

もう一度言うが今回の記事は友人スズキの許可を得て書いている。許可なしに彼のことを書いてしまったら、それはそれで面白いが、私の人格が皆さんに疑われてしまう。私は決して彼を軽蔑しているわけでなく、むしろ尊敬している。彼は大学に入学した途端に、リア充と化し、薔薇色のキャンパスライフのド真ん中を突き進んでいる。私が彼に対して嫉妬心を抱いていないことはなく、いつも夜の街に消えていく彼の姿を指をくわえて眺めている。天よ、あなたは言ったではないか。「人の上に人はつくらない。」と。天までもがウソをつくのなら、私は何を信じて生きていけばいいのだ。どうして授業を全部出席して、勇ましく勉学に励む私がモテなくてグータラ生活を送る彼がお花畑をルンルン歩いているのか。逆にグータラ生活を送ればモテるのか。モテるにはグータラ生活が必須なのか。スズキよ、どっちなのだ。モテない男にモテる方法を教授してくれ。

 

「世の中は平等だ。」という言葉を聞いたことがあるが、これは御都合主義の賜物で、私から言わして貰えば「世の中は不平等」なのである。頑張れば頑張るほど、己にパートナーがいない状況が浮き彫りになり、なぜそのような状況に陥ってしまったのか自問し始める。いずれ自問自答は自己嫌悪に変わり、周囲への嫉妬心も加わり、自分自身の肉体が蝕まれていく。まったくこれだから人生は苦悩に満ちているのである。

 

最後に暗い文章で終わってしまってはパクチー並みの後味の悪さを残してしまうが、ここまで読んでくださった皆さんに言いたいのは、やはり自分が良かれと思った道を進むのが1番であるということだ。もちろん道徳の道を踏み外さない範囲での話だ。私はまだ20年しか生きておらず、説教じみたことを言う筋合いはないが、スズキを見て思うのは彼は己の信念に基づいてグデグデしていて、むしろグデグデしていることに誇りすら感じているようだ。彼はある時私に言った「アオヤマさ、授業休みなよ。休まないと人生損してるよ。」と。皆さんお分りいただけただろうか。これが彼の信念である。今後も私は彼のオムツの面倒を見る係として重労働を課せられるだろうが、彼から学ぶことは少なからずあるので、ジンベイザメにくっつくコバンザメのように彼のおこぼれをもらってコソコソ生きていくことにする。

 

もう一度断っておくが、これはスズキ監修のもと書かれた記事であり、私個人が勝手な妄想を膨らませて書いたものではない。私は誠実な人柄ゆえ、人の命令には逆らえないのだ。そのような健気な私を今後も見守ってほしい。

 

最後に今回記事の協力をしてくださった友人スズキに豆粒ほどの感謝の意を表し、筆を置くことにする。

 

スズキよ。これからも抱腹絶倒なグータラ生活を送って私の人生の糧となっておくれ。

 

byかわいらしい部屋員医学部アオヤマ